HOME/COLUMNS/ベレッタ M84FS チーター完全解説|欧州警察が愛した.380コンパクト拳銃の…
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | Beretta Model 84FS Cheetah |
| 口径 | .380 ACP(9×17mm) |
| 全長 | 172mm |
| バレル長 | 97mm |
| 重量 | 660g(アンロード時) |
| 装弾数 | 13+1発(ダブルスタックマガジン) |
| アクション | ダブル/シングルアクション・セミオート |
| 安全装置 | フレームマウント式デコッキングセーフティ |
| 採用年 | 1976年(84型)、FSモデルは1980年代 |
| 採用機関 | イタリア国家警察、カラビニエリ、フランス憲兵隊ほか |
| 生産国 | イタリア |
ベレッタ M84FS チーター(Beretta Model 84FS Cheetah)は、イタリアの名門銃器メーカー・ベレッタ社が1976年に発表したコンパクトセミオート拳銃です。「チーター」というニックネームが示すとおり、軽快でしなやかな携帯性が最大の特徴であり、欧州各国の警察・法執行機関に長年にわたって制式採用されてきました。
同社の代表作であるベレッタ M9(92F)をコンパクト化した設計思想を持ちながら、.380 ACP弾(9×17mm)を使用することで全体サイズを大幅に抑え、隠匿携帯に適した「コンシールドキャリー」用途としても高い評価を得ています。日本では東京マルイのガスブローバックモデルが人気で、サバゲーのセカンダリサイドアームとしても多くのプレイヤーに選ばれています。
1970年代、欧州では都市部での犯罪増加や各種テロ事件を受けて、法執行機関が「軽量かつ高装弾数のコンシールド拳銃」を強く求めるようになりました。当時の警官や捜査官がサービスピストルとは別に携帯するセカンダリウェポンとして、コンパクトで即応性の高い拳銃のニーズが急速に高まったのです。
ベレッタ社はこの需要に応えるため、同社の92シリーズをベースにコンパクト化した「チーター」シリーズの開発に着手しました。1976年に発表されたモデル84は、当初から.380 ACP口径を採用し、ダブルスタックマガジンによる13発という高装弾数を実現しています。これは同クラスの競合製品(ワルサーPPK系の7〜8発)を大きく上回るものでした。
M84FSを語る上で欠かせないのが、ベレッタ独自の「オープントップスライド」設計です。スライド上部が開口しており、チャンバーとバレルの一部が外部に露出しています。この設計は一見すると強度面で不利に見えますが、実際には以下の利点があります:
このオープントップデザインは初代ベレッタ拳銃(1915年モデル)から続くベレッタ社の伝統であり、M84FSにもその遺伝子が刻まれています。
初期の「84型」にはサムセーフティ式の安全装置が採用されていましたが、その後「84FS」として登場したモデルでは、フレームマウント式のデコッキング&セーフティレバーが採用されました。このレバーを操作するとハンマーを安全にダウンポジションに落とすことができるため、装填状態のまま安全に携帯できます。
現役警察官が日常的に携帯することを前提に設計されたこの機能は、一瞬の油断が重大事故につながる法執行の現場で特に重視されました。イタリア国家警察やカラビニエリが採用した背景には、この高い安全性能もあります。
M84FSが使用する.380 ACP(Auto Colt Pistol)弾は、1908年にジョン・ブローニングが設計した小口径拳銃弾です。9×17mmとも呼ばれ、9mmパラベラム(9×19mm)より一回り小さなサイズです。
| 弾薬 | 口径 | ケース長 | 銃口初速(目安) | 銃口エネルギー(目安) |
|---|---|---|---|---|
| .380 ACP | 9.07mm | 17mm | 290〜310m/s | 210〜250J |
| 9mm パラベラム | 9.01mm | 19mm | 360〜400m/s | 420〜550J |
| .22 LR | 5.59mm | 15.6mm | 320〜370m/s | 90〜140J |
| .45 ACP | 11.43mm | 23mm | 250〜280m/s | 580〜650J |
.380 ACPの銃口エネルギーは9mmパラベラムの約半分程度ですが、近接距離での護身用・法執行用として十分な停止力を持ちます。欧州では「9mm Short(9mmクルツ)」とも呼ばれ、警察拳銃の標準弾薬として長く採用されてきた実績があります。
.380 ACP弾の反動は9mmパラベラムと比較して穏やかで、コンパクトなフレームサイズでも制御しやすいのが特徴です。13発のダブルスタックマガジンが可能なのも、弾薬の小ささゆえです。同クラスのワルサーPPKが7発(.380 ACP)なのに比べて、M84FSの13発は圧倒的な装弾数の差があります。
ベレッタ M84FSは、そのコンパクトで美しいシルエットから映画・ドラマでの採用例が多数あります。
ベレッタ M84FS チーターの映画登場で最も有名なのは、リュック・ベッソン監督の「レオン」(1994年)です。主人公マチルダ(ナタリー・ポートマン)が使用するシーンがあり、12歳の少女がコンパクトな拳銃を扱う衝撃的なビジュアルと相まって、銃ファンの間で伝説的な印象となっています。
ジェームズ・ボンドシリーズ「007 美しき獲物たち」では、ステイシー・サットン(タニア・ロバーツ)がM84FSを使用するシーンがあります。スパイ映画の定番であるワルサーPPK(ワルサーPPKの詳細はこちら)とは異なる選択が印象的です。
コールオブデューティシリーズや各種ミリタリーシューターゲームにも「ベレッタM84」あるいは「ベレッタ チーター」の名称でコンパクト拳銃として登場しています。イタリア警察や欧州エージェントのキャラクターが携帯する設定での登場が多く、その欧州的な洗練されたデザインが人気の要因です。
コンパクト拳銃の中でM84FSを比較評価すると以下のようになります。
| モデル | 口径 | 装弾数 | 全長 | 重量 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| ベレッタ M84FS チーター | .380 ACP | 13発 | 172mm | 660g | 欧州警察標準、高装弾数 |
| ワルサー PPK/S | .380 ACP | 8発 | 155mm | 590g | ボンドガン、コンパクト |
| グロック 19 | 9mm Para | 15発 | 187mm | 595g | ポリマーフレーム、軽量 |
| SIG Sauer P230 | .380 ACP | 7発 | 168mm | 470g | スリム設計 |
| CZ 83 | .380 ACP | 12発 | 172mm | 660g | CZ75系コンパクト |
同口径の競合であるワルサーPPK/Sと比較すると、M84FSは装弾数で5発多く、サバゲーや実用面で有利です。一方、グロック19(グロック19エアガンレビュー)のように9mmパラベラム口径に移行した場合、威力面ではM84FSを上回ります。
ベレッタ M84FSのエアガンは国内外のメーカーから複数発売されています。用途別の選び方を解説します。
東京マルイのM84チーター ガスブローバックは、国内サバゲープレイヤーにとって最も安心できる選択肢です。東京マルイ品質のガスブローバックシステムにより、実際のM84FSに近い「ガシャン」というスライドバック感覚が体感できます。ホップアップシステムも安定しており、セカンダリとしての精度は申し分ありません。
メンテナンスのしやすさ、パーツの入手性という面でも東京マルイ製品は日本国内では圧倒的に優位です。
WEのM84FS チーター フルメタルは、金属パーツを多用したリアル感が魅力です。実銃のM84FSに近い重量感(実銃660gに対し、エアガンでも600g台を実現)が体感でき、ディスプレイモデルとしての満足度も高いです。ガスブローバック動作も確実で、海外製ながら国内でも使いやすい仕様になっています。
マルシン工業のM84 ヘビーウェイトは、ABS素材ではなくヘビーウェイト素材(比重の高い特殊ABS)を使用した、実銃に近い重量感のガスガンです。コレクション・ディスプレイ目的の方、あるいはモデルガンの雰囲気を楽しみたい方に向いています。
ベレッタ M84FSをより深く理解するために、関連する銃との比較・関連記事も参照することをおすすめします。
東京マルイ製の定番ガスブローバックモデル。国内最高水準の品質と安定したホップアップ性能を誇り、サバゲーのセカンダリサイドアームとして最適です。メンテナンス性・パーツ入手性ともに国内最高水準。
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フルメタル仕様でリアルな重量感が魅力。実銃に近い質感と操作フィーリングを求めるプレイヤー・コレクターに最適。ガスブローバック動作も安定しています。
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ヘビーウェイト素材で実銃に近い重厚感を再現したコレクターズモデル。飾り棚に置いても映えるリアルな質感が特徴。ディスプレイ目的・コレクション派に向けた選択肢。
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ベレッタ M84FS チーターは、イタリアのベレッタ社が1976年に開発した.380 ACP(9×17mm)口径のコンパクトセミオート拳銃です。ダブルスタックマガジンによる13+1発という高装弾数と、ベレッタ独自のオープントップスライドが特徴です。欧州の警察・法執行機関に広く採用されており、コンシールドキャリー(隠匿携帯)用途として高い評価を受けています。
.380 ACP弾の銃口初速は約290〜310m/s、銃口エネルギーは約210〜250J程度です。9mmパラベラムと比較すると威力は小さいですが、近距離での護身・法執行用途として十分な停止力を持っています。弾頭重量6g前後の弾丸が高速で飛翔するため、その威力は過小評価できません。コンパクト拳銃の口径としては、.380 ACPは世界標準の一つです。
「FS」は「Frame Safety(フレームセーフティ)」を意味します。スライドマウント式セーフティではなく、フレーム(グリップフレーム)に安全装置が取り付けられているモデルを示します。デコッキング機能も兼ね備えており、コック状態のハンマーを安全にダウンできます。法執行機関での常時携帯を前提にした改良です。
主要な採用機関はイタリア国家警察(Polizia di Stato)とカラビニエリ(Carabinieri、準軍事組織)です。フランス憲兵隊、チュニジア国家警察、その他欧州・アフリカ諸国の法執行機関でも採用実績があります。民間市場でも人気が高く、欧州・米国での自衛用拳銃としての需要もあります。
最大の違いは口径とサイズです。M84FSは.380 ACP(9×17mm)口径で全長172mm、重量660g、装弾数13発のコンパクトモデル。一方、ベレッタ M9(92F)は9mmパラベラム口径で全長217mm、重量950g、装弾数15発のフルサイズモデルです。M84FSはM9の「縮小版」とも言えますが、単なるスケールダウンではなく、コンシールドキャリー向けに専用最適化されています。
用途によって異なります。装弾数では M84FS(13発)がPPK/S(8発)を大きく上回ります。一方、サイズ面ではPPKのほうがわずかにコンパクト(全長155mm)です。歴史的な人気面ではワルサーPPKが「ボンドガン」として世界的知名度を誇りますが、実用的な装弾数・信頼性ではM84FSが優位とされています。
サバゲー用セカンダリ向け:東京マルイ M84 チーター ガスブローバック。安定した動作と国内パーツ供給が強み。リアル志向コレクター向け:WE M84FS フルメタル。重量感と質感がリアル。ディスプレイ・コレクション向け:マルシン工業 M84 ヘビーウェイト。観賞用としての完成度が高い。予算と用途に合わせて選ぶのがベストです。
コンパクトなサイズ(全長172mm)によりホルスターへの収納がしやすく、セカンダリサイドアームとして非常に優秀です。13発の装弾数は同クラスのコンパクト拳銃の中でも多く、緊急時のリロード不要での継続射撃が可能です。ただし.380 ACP口径の特性上、交戦距離は近距離(20m以内)が最適な用途です。9mmパラベラム系のグロック19(グロック19エアガンレビュー)と比較した場合、弾薬の威力面では劣りますが、コンパクトさでは優位があります。
ベレッタ M84FS チーターは、以下の点で特筆すべきコンパクト拳銃です:
実銃としての歴史的価値、映画での人気、そしてエアガンとしての実用性という三拍子が揃ったM84FSは、銃好きなら一度は手に取っておきたい名銃のひとつです。
エアガンの選び方や比較については拳銃性能ランキングも参考にしてください。また、実銃の詳細スペックはベレッタ M84FS カタログでご確認いただけます。
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イタリア · 1976年
Beretta Model 84FS Cheetah
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