HOME/COLUMNS/【PUBGで超人気】VSS ヴィントレス完全解説|スペツナズの消音狙撃銃と一体型…
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 正式名称 | VSS(Vintovka Snayperskaya Spetsialnaya) |
| ニックネーム | ヴィントレス(Vintorez:「ネジ締め機」) |
| 開発国 | ソ連(現ロシア) |
| 開発機関 | TsNIITochMash(中央精密機械工学研究所) |
| 設計者 | ピーター・セルジューコフ |
| 採用年 | 1987年頃 |
| 口径 | 9×39mm SP-5 / SP-6(亜音速弾) |
| 全長 | 894mm(ストック展開時) / 615mm(折りたたみ時) |
| 重量 | 2.6kg(空) |
| 弾倉容量 | 10発または20発 |
| 有効射程 | 約300m |
| 特徴 | 一体型インテグラルサプレッサー、折りたたみ式ストック |
| 採用組織 | ロシア特殊部隊、FSB、SVR他 |
| ゲーム登場 | PUBG、Escape from Tarkov、DayZ、S.T.A.L.K.E.R. |
VSSヴィントレス(ロシア語:ВСС「Винторез」)は、1980年代にソ連が開発した特殊部隊専用の消音狙撃ライフルです。
「ヴィントレス(Vintorez)」というニックネームはロシア語で「ネジ締め機」を意味します。静かに確実に、ネジを締めるように標的を仕留めるという意味合いが込められているとも言われており、その名に恥じない消音性能を誇っています。
VSSの最大の特徴は2つです。ひとつは銃本体に組み込まれた一体型インテグラルサプレッサー(消音器)。もうひとつは、専用開発された9×39mm亜音速弾の使用です。この2つの組み合わせによって、射撃音を通常ライフルの約半分以下に抑えることに成功しました。
コンパクトに折りたたんで体の下に隠せる大きさでありながら、軽量ボディアーマーを100m以内で貫通する対装甲性能と、300mの有効射程を実現。「携帯性・消音性・貫通力」を同時に満たすという、当時の世界どの国も持ち得なかった画期的な銃として登場しました。
今日でもPUBGやEscape from Tarkovといった人気ゲームへの登場で世界中のミリタリーファンに知られ、エアガンとしても根強い人気を持ちます。
VSSの開発が始まったのは1980年代初頭のソ連です。
当時のKGB(国家保安委員会)やスペツナズ(特殊部隊)は、増え続ける対テロ・対ゲリラ作戦の中で深刻な問題に直面していました。それは**「消音銃では威力が足りない」**という矛盾です。
当時の消音装備といえば、拳銃(マカロフPMなど)にサプレッサーを取り付けたものが主流でした。しかし1970〜80年代にかけて、アフガニスタンのムジャヒディンをはじめとする敵勢力が軽量ボディアーマーを普及させ始めたため、9mm程度の通常ピストル弾では確実に無力化することが難しくなっていました。
一方で、AKシリーズのようなアサルトライフルは貫通力に優れますが、発射音が非常に大きく、市街地や室内での工作任務で使えば狙撃手の位置が即座に暴露されてしまいます。
「高い貫通力と消音性を両立した専用狙撃銃を作れ」——この要求を受けたTsNIITochMash(中央精密機械工学研究所)のピーター・セルジューコフ技師が設計に着手。1985〜87年頃にVSSヴィントレスと、その姉妹モデルであるASヴァル(突撃タイプ)が完成しました。
VSSがいかに独創的な銃かは、その設計を細かく見ると一層よくわかります。
VSSの銃身先端に搭載されたサプレッサーは後から取り付けたものではなく、設計段階から組み込まれた一体型です。全長894mmの銃のうち、約300mmがサプレッサー部分を占めています。
後付けサプレッサーを使う銃は、装着後に全長が大幅に伸びて携行性が損なわれます。しかしVSSでは銃身とサプレッサーが最初から一体化されているため、コンパクトさを保ちながら最大限の消音効果を引き出せます。
サプレッサー内部には多数のバッフル(仕切り板)が配置されており、発射ガスを効率よく冷却・拡散させます。通常のライフルが約160〜175デシベルの発射音を発するのに対し、VSSは9×39mm亜音速弾との組み合わせで約130デシベル以下まで抑えられるとされます。これは大きなドアを勢いよく閉めた音に近い水準で、100m以上離れた位置ではほぼ発射音が聞こえないとも言われています。
VSSの消音性能の核となるのが、専用開発された9×39mm弾(SP-5 / SP-6)です。
弾頭重量は約16g(一般的な5.56mm NATO弾の約5倍)。この重い弾頭を初速約290m/sという低速で発射することで、音の壁(約340m/s)を超えません。音速を超えると衝撃波(ソニックブーム)が発生するため、どれだけ優れたサプレッサーを使っても必ず大きな音が出てしまいます。VSSはこの問題を弾薬の設計段階から根本的に解決したのです。
特にSP-6弾(APB:徹甲弾頭型)は、鋼芯弾頭による高い貫通力を持ち、100m以内で6mmの均一鋼板を貫通。1980〜90年代に普及していた軽量ソフトアーマーを確実に抜き、確実な無力化を可能にしました。
VSSはさらに折りたたみ式ストックも採用しています。ストックを折りたたむと全長がわずか615mmとなり、バックパックや大型バッグへの収納が可能になります。これは工作員が市街地で武装していると気づかれずに移動するための配慮です。
光学サイトはPSO-1光学スコープ(4倍)またはNSPUM暗視スコープを標準装備でき、昼夜を問わない精密射撃を可能にします。
VSSが持つ独自の立ち位置を、他の狙撃銃・狙撃向けライフルと比較してみましょう。
| モデル | 口径 | 有効射程 | 消音性 | 全長 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| VSS ヴィントレス | 9×39mm | 300m | ◎ 一体型 | 894mm | 対装甲・完全消音 |
| ドラグノフ SVD | 7.62×54mmR | 800m | × | 1,225mm | 長距離精密射撃 |
| Accuracy International AW | .308 Win | 900m | △ オプション | 1,180mm | 精密・信頼性 |
| HK417 + サプレッサー | 7.62×51mm | 600m | ○ 後付け | 約900mm | 汎用・モジュール式 |
| SR-25/M110 | 7.62×51mm | 800m | ○ 後付け | 1,054mm | 米特殊部隊向け |
ドラグノフSVDは長距離狙撃において圧倒的ですが、消音性はありません。SR-25やHK417はサプレッサーを後付けできますが、その分全長が伸び、音速超過の場合はソニックブームが残ります。VSSは射程こそ300mと短いものの、真の消音狙撃という特化した役割で他の追随を許しません。
ドラグノフSVDの詳細解説はこちらでご確認いただけます。
VSSが本格的に実戦投入されたのは、1994〜1996年の第一次チェチェン紛争です。
首都グロズヌイでの激しい市街戦では、ロシア連邦軍のスペツナズがVSSを用いて建物内での近距離狙撃作戦を展開しました。発砲位置の特定がほぼ不可能なため、チェチェン側の指揮官や通信担当を次々と無力化することができました。
1999〜2009年の第二次チェチェン紛争でも継続的に使用。特に暗視スコープとの組み合わせによる夜間狙撃作戦で高い成果を上げたとされています。
その後もシリア内戦、そして2022年以降のウクライナ紛争においても、ロシア特殊部隊によるVSS使用の映像・証拠が複数報告されています。開発から40年近くが経過した現在も第一線で使われ続けているのは、この銃の基本設計の優秀さを示しています。
また、ロシアのFSB(連邦保安庁)やSVR(対外情報庁)の特殊部門、内務省のSOBRやOMONなどの対テロ・法執行特殊部隊も現在進行形でVSSを配備しています。
VSSヴィントレスは、リアル系ミリタリーFPSゲームのファンにとって特別な意味を持つ銃です。
PUBGではVSSはフィールドスポーン(地面に落ちているアイテムとして入手)できる稀有な内蔵サプレッサー付き銃として実装されています。サプレッサーを別途調達する必要がなく、拾った瞬間から高い隠密性で運用できます。
弾薬は9mmを使用し、弾倉は10発(拡張マガジンで20発)。発射音が非常に小さく、発砲位置の特定が難しいため、待ち伏せや索敵・潜入プレイスタイルのプレイヤーに非常に人気があります。ただし弾薬の消費が早く、弾薬不足との戦いでもある難しさが、ゲーマーの間で語り草になっています。
よりリアル志向のEscape from Tarkovでは、VSSは高価値かつ運用難易度が高い銃として位置づけられています。本物同様に9×39mm専用弾薬が必要で、弾薬自体の入手も難しいため「使いこなせるプレイヤーを選ぶ銃」です。SP-6やSP-5弾使用時の対装甲性能と静音性のバランスが評価され、上級者に根強い人気があります。
ロシア・ウクライナ発のサバイバルFPS「S.T.A.L.K.E.R.」シリーズや、オープンワールドサバイバル「DayZ」にもVSSは登場します。過酷な環境での静かな戦闘スタイルを象徴する銃として、根強いファンに愛されています。
このようにVSSは、リアリティを重視するゲームを中心に数多くの作品に登場しており、ゲームを通じてVSSの存在を知ったというミリタリーファンも世界中に増えています。AK-12についての解説記事やPKMの解説記事と合わせて、ロシア現代軍備の全体像を理解するのもおすすめです。
独特なデザインと高いリアリティから、エアガンとしても人気があります。現在は主に2社からモデルが発売されています。
リトアニアの老舗エアガンメーカーLCT製のVSSヴィントレス電動ガン。スチールボディを採用しており、実銃に迫る重量感と金属質感が特徴です。実銃と同様の折りたたみ式サイドフォールディングストックも忠実に再現されており、折りたたみ展開の操作まで楽しめます。
外装のリアリティを最優先するコレクターや、ロシア軍装備でサバゲーに参加したいユーザーに特に向いているモデルです。
ARES Airsoft製のVSSヴィントレス電動ガン。EFCシステム(電子トリガーシステム)を搭載しており、レスポンスが良くコンスタントな射撃性能を発揮します。外観リアリティよりもサバゲー実用性を求めるユーザーに向いているモデルです。
VSSのエアガンはどちらも全長がコンパクトで、インナーバレル長が短めです。そのため電動ガンとしての初速はやや低めで、長距離狙撃向きではありません。サバゲーで使う場合は、CQB(近距離室内戦)や中距離戦が多いフィールドがおすすめです。
見た目の珍しさと独特のシルエットで、フィールドでの存在感は抜群。ロシア軍テーマのコスプレや装備展示にも最適な一本です。
はい、現在もロシアのFSB(連邦保安庁)特殊部門、SVR(対外情報庁)、内務省のSOBRやOMON(特別警察部隊)が配備しています。2022年以降のウクライナ紛争でも目撃例・証拠が複数報告されており、設計から40年近く経った今も第一線で活躍しています。
9×39mm弾はVSSとAS Val専用にソ連が1980年代に開発した亜音速弾薬です。弾頭重量が約16g(5.56mm NATO弾の約5倍)と非常に重く、初速を約290m/sという音速以下に抑えています。これにより衝撃波(ソニックブーム)が発生せず、一体型サプレッサーと組み合わせると著しく静かに運用できます。SP-6(APB)弾は対装甲性能も持ちます。
PUBGではVSSはフィールドスポーン(地面落下アイテム)として入手できます。コンテナドロップ専用ではなく地面で見つけられる銃の中では珍しい内蔵サプレッサー付きで、入手次第すぐ静音運用できます。弾薬は9mm、弾倉は10発(拡張マガジンで20発)です。
どちらも同じ9×39mm弾と一体型サプレッサーを持つ姉妹銃ですが、役割が異なります。VSSは狙撃特化設計で光学スコープの搭載を前提とし、弾倉は10〜20発。AS Valはアサルトライフル寄りで弾倉20〜30発、連続射撃や近距離戦向けです。ドラグノフSVDとの詳細な比較はこちらもご参照ください。
はい。LCT製(スチールボディ電動ガン)とARES製(EFC電子トリガー電動ガン)の両方が、日本国内のエアガン専門店や楽天・Amazonなどの通販で購入できます。LCTはリアリティ重視、ARESはサバゲー実用性重視の方におすすめです。詳細はLCT版とARES版のページをご確認ください。
実銃のVSSのサプレッサーは本体と一体型設計のため、通常の運用では取り外しません。分解整備時には外すことが可能ですが、サプレッサーなしでの運用は想定されていません。これがAS Valとの外観上の大きな違いでもあります。
ロシア連邦軍のスペツナズ(各軍種の特殊部隊)、FSB(連邦保安庁)の特殊部門アルファ・ヴィンペル、SVR(対外情報庁)のほか、ベラルーシやカザフスタンなど旧ソ連圏諸国の特殊部隊も使用しています。一般正規軍向けではなく、あくまで高度な訓練を受けた特殊工作員向けの銃です。
VSSヴィントレスは、冷戦時代のソ連が「威力と消音性の両立」という困難な要求に応えて生み出した、唯一無二の消音狙撃銃です。
同じロシア狙撃銃に興味があればドラグノフSVDの完全解説も合わせてご覧ください。ロシア機関銃系が気になる方はPKMの解説もおすすめです。
VSSヴィントレスの実銃スペック詳細はカタログページで確認できます。エアガンが欲しい方はLCT製またはARES製のページからチェックしてみてください。
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ソ連 · 1987年
VSS Vintorez
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